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2020-11-09

契約書に「許可証の通り」と書くのはNG?

委託契約書・許可証

「許可証の通り」と書かれた委託契約書(以下、「契約書」)は、誰もが見たことがあるのではないでしょうか?

業界内では当たり前に行われていますが、「果たして本当に良いのか?」という疑問が浮かぶことも多いようです。

例えば、産業廃棄物の契約書の法定記載事項である「受託者の事業の範囲」は、都道府県や許可の有効期限、許可番号が明記されているものの、その他の項目はすべて「許可証の通り」となっている場合があります。

また、「処分の場所、方法及び処理能力」の項目では、すべて「許可証の通り」となっている場合も珍しくありません。廃棄物の種類や委託料金は「見積書の通り」「覚書の通り」とすることもあります。

引用は基本的にOK

最初に、契約書に他の文書を引用すること自体は、法的に禁止されていません。

「どの文書を引用するか?」が明示されていれば、そこから契約内容を読み取ることができます。

印紙税法でも、料金の欄が引用となっている場合、引用元の文書に書かれた金額から印紙税額を判断することとされています。

注意点は、引用元文書が常に特定できる状態にしておく必要があることです。

許可証写しは必ず契約書に添付しますが、見積書は果たしてどうでしょうか?御社の契約書ではどうなっていますか?

私はお客様のところで拝見させていただく機会がありますが、添付されていないこともしばしばです。添付されていない場合、これでは「どの見積書の通り」なのか分かりません。

契約書に写しを綴じ込んでおくか、「〇〇年〇月〇日付け発行の見積書」などと、特定できる状態にしておく必要があります。見積書に管理番号を付けて、表記しておくといった方法もありますね。

このように、引用元文書の特定が可能な状態での引用は可能です。しかし、私は極力、引用を避けて具体的に記載することをお勧めしています!

処分方法や、処分施設を複数持っている場合、「許可証の通り」としてしまうと、後々、照合したときに内容が読み取れない契約になってしまうからです…。

すべて処理方法が可能とも読めますが、契約当初の見積もり段階では、「破砕処理を行う前提の金額設定」「中間処理後はリサイクルする条件」等と設定する場合も多いです。商談を最初に行った営業担当ならば、当時の記憶が頼りになりますが、後任の担当者は書面に残らないと条件が分かりません。お客様とのトラブルにもなりかねません。

こうしたことを防ぐためにも、できる限り契約書に明文化することをお勧めします。

執筆者

安井 智哉

廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。

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