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コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
許可更新中の対応方法・催促に悩まされていませんか?
処理業の業許可をお持ちの皆さんにとって、許可更新はそれなりの手間がかかる業務かと思います…。
頻繁にあるものではないため「前はどうだったっけ?」と対応に戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回のコラムでは、こうした許可申請中に「排出事業者からの確認を極力減らし、スムーズに対応する方法」をお伝えしていきます。
許可更新にかかる時間感覚のギャップ
許可更新にまつわる業務で、地味に手間になるのは排出事業者からの更新確認・催促の連絡を受けることではないでしょうか?
問合わせの数だけではなく、「すぐに新しい許可証を送ってくれるもの」と思っている顧客に、「まだ更新が下りていない」と説明するのもなかなか大変だとお聞きます。
許可更新の申請を管轄行政に提出してから、新しい許可証が手元に届くまでには一定の審査期間を要します。そのため、排出事業者から許可更新の有無を確認されたタイミングでは、まだ新しいものが手元に届いていない場合がほとんどです。
更新期間の長さは、管轄行政によって様々ですが平均的には60日くらいかと思います。ただ、さらに長い期間をかける自治体もあるため一概には言えません。
この期間にどれだけ問い合わせを受けても、「まだ更新許可が下りていない」と説明するしか無いのです。しかしながら、「これくらいの期間がかかる」という時間感覚が排出事業者とギャップが生じているために、毎週のように「まだか?まだか?」と催促されることも実際にあるようです。更新が遅いと「何かまずいことでもあるのでは?」と変に疑われるなんてことも…。
確かに、例えば許可更新の審査に伴う立入調査で「保管量が多いので是正してください」といった指導を受けたとします。是正確認をしてから再審査となり、通常は短い審査期間で許可を出す自治体でも長期化する場合があります。
許可更新中の手間をかけない対応方法
では、申請期間中に排出事業者から許可更新の確認があった際、どのような対応をすると良いのでしょうか?
まず、管轄行政の受領印が押されている『更新申請書』をコピーして送りましょう。有効期限内に更新申請をして受理されているが、自治体からまだ新しい許可証が発行されていない場合、新しい許可証が発行されるまでは、以前の許可内容のまま有効となります。この期間中、排出事業者は更新申請書のコピーを古い許可証とセットで保管することで、引き続き適法に廃棄物の処理を委託できます。
次に、排出事業者からの問い合わせを極力減らすにはどうすればいいのでしょうか?
許可証の更新を申請した時点で、取引をしている排出事業者に対して申請書のコピーをメールやFAXなどで一斉送信しておくのが効果的です。
ちょっとした違いですが、「聞かれる前に連絡する」とそれだけで顧客は安心し、不要な心配をせず待っていてくれます。
その際には次の2点を説明した書面を1枚添付します。
①申請書を旧許可証とセットで保管することで、許可更新の結果がでるまでは引き続き現行許可が有効である。
②行政の審査は短期間では結果がでない。
(もしわかれば、感覚でもいいので自社を管轄している自治体の平均的な審査期間を伝える)
こうすることで、排出事業者は丁寧な説明に納得し、安心して委託をすることができます。
許可更新中の対応一つをとっても、先回りして一工夫をすることで、最終的には工数削減に繋がり、排出事業者に自社の管理レベルをアピールすることにも繋がります。
執筆者
長谷川 優子
お客様への情報のご案内を担当。廃掃法等、難しい法解釈も廃棄物処理業者様・再生資源事業者様の観点から分かりやすくお伝えすることを大事にしています。
お客様が抱えられている日々の悩みや課題等を、少しでも解決&サポートできるよう努めてまいります!