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コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
マニフェストを紛失したらどう対応する?
産業廃棄物の処理を受託する際には必ずマニフェストの交付を受ける必要があります。加えて、二次処理委託時には自社が排出事業者となって発行する二次マニフェストがありますよね。
A票は交付日、その他の票は返送を受けた日から5年間の保管義務があります。ところが、マニフェストを紛失してしまった!という声はよくお聞きします。
数が多く、複雑なマニフェストはそれだけ管理が難しいということかもしれません…。今回は、マニフェスト紛失時の対応方法をまとめてまいります!
目次
マニフェスト紛失時の対応
紛失しないことが1番ですが、もしも紛失してしまった場合は、以下の対応をします。
まず、紛失してしまったマニフェストのそれぞれに対応するマニフェストをコピーして代用します。
例えば、B2票は、運搬が終了したことを示すマニフェストです。 これは排出事業者が持つものですが、運搬会社は自社が運搬したことを示す控えとしてB1票を保管しています。
その為、B1票とB2票はほぼ同じ内容で、それぞれ保管する者が違います。どちらかを紛失した場合は、ほぼ同じ内容のマニフェスト控えを取引先からコピーさせてもらうということになります。
排出事業者が保管するマニフェスト
A票を紛失→B1票をコピーして代用する。
B2票を紛失→B1票をコピーして代用する。
D票を紛失→C1票をコピーして代用する。
E票を紛失→C1票をコピーして代用する。
運搬業者が保管するマニフェスト
B1票を紛失→B2票をコピーして代用する。
C2票を紛失→C1票をコピーして代用する。
処分業者が保管するマニフェスト
C1票を紛失⇒C2票をコピーして代用する。
この際、コピーしたマニフェストには「A票紛失の為、B1票の写しを取り寄せ保管」などのように、紛失したマニフェストの代用であることが分かるメモを添えておくのがポイントです!
こうすることで、後から確認した場合でも、代用のマニフェストであるため、コピーであっても大切に保管しておかなければならない事が分かります。後々の「コレ、何だっけ?」を防ぎます。
再交付はNG!
紛失したからといって、マニフェストの再交付は、NGです!
「記載内容が同じならいいでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんが、マニフェストを再発行すると紛失していない残りの票はどうすればよいのでしょうか?
新しいマニフェストがあるからといって、破棄してしまうと、マニフェストの保管義務違反となってしまうのです。
紛失してしまった場合は同じマニフェストを再交付するのではなく、コピーをして対応しましょう。行政への報告などは特に必要ありませんが、紛失が発覚した時点での素早い対応が望ましいです。万が一、紛失したままの状態で発見された場合も、保管義務違反となってしまいます。
そもそもマニフェストを紛失しないためには?
電子マニフェストに切り替えるのが一番です。
電子マニフェストになると、「紙」そのものが無くなるため、紛失する事態は起こりません。管理が効率的に行えるだけでなく、保管の義務がなくなります。
紛失のリスクや管理の手間を踏まえ、電子マニフェストの導入や対象範囲を広げることを検討されてみてはいかがでしょうか?
執筆者
安井 智哉
廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。