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COLUMN

コラム

廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。

ニュース解説 2022.10.07

逮捕事例!産業廃棄物を一般廃棄物として処分し逮捕

「当たり前!」「もちろん大丈夫!」とご返答いただくことになりそうですが…。
産業廃棄物と一般廃棄物、区分は適切にされてますか?

今回は、産業廃棄物を一般廃棄物として処分したとして、厳しく取り締まられた事例をご紹介します。

事例:産廃を一般ごみとして持ち込み逮捕!

接種済証シールを不法投棄 資源回収業の男逮捕 警視庁新型コロナウイルスワクチンの接種済証のシールを不正に捨てたとして、警視庁生活環境課などは、廃棄物処理法違反の疑いで、東京都台東区三筋、再生資源回収業Y社の社長を逮捕した。シールの処理を委託したとして、印刷物加工業B社の社長も同容疑で書類送検した。いずれも容疑を認めているという。

生活環境課によると、B社は、接種済証のシールを製造していたが、ワクチンの輸入中止で、シールが不要になった。B社はシール5.4トン(678万人分)の廃棄をY社に依頼。シールは主原料がプラスチックのため、本来は産業廃棄物にあたるが、Y社は産廃処理業の許可を受けておらず、一般ごみとして廃棄したとみられる。

Y社社長の逮捕容疑は、B社から委託を受け、シールが産廃であるにもかかわらず、令和4年4月下旬、シール約4.4トンを墨田清掃工場(墨田区)に一般ごみとして持ち込み、廃棄したとしている。残り1トンも廃棄しようとしたが、清掃工場の職員に看破され、処理できなかった。

シールを産廃として処理した場合、4.4トン分で手数料は約22万円かかるが、Y社は、一般ごみとして持ち込み、さらに手数料が割引になる制度を利用し、約4万円で処理した。

引用元:産経ニュース

報道によると、不要になったコロナワクチンの接種済みシールを、排出事業者が一般廃棄物として委託し、回収業者が区の清掃工場に持ち込んだところ、排出事業者と回収業者双方の社長が逮捕されたということです。

廃棄物と産業廃棄物の区分

記事中の説明では、シールは主原料がプラスチックだから産廃に該当するとあります。プラスチックは、産業廃棄物の20品目に該当するので、間違いなく産廃です。

一方、紙でできたシールの場合には、一般廃棄物となる可能性があります。

紙くずは業種指定品目といって、排出される業種によって、産業廃棄物と一般廃棄物に分かれます。

ただし、今回の排出事業者は「印刷物加工業」ですので、指定業種に当てはまり、この会社から排出される紙くずは産業廃棄物です。シールの素材が問題のように報道されていますが、プラスチック製であろうと、紙製であろうと、どちらにしても産業廃棄物として扱わなければいけませんでした。

このことから、産廃と一廃の区分ができなかったというわけではないと考えられます。

 

なぜ産業廃棄物を一般廃棄物として処分したのか?

プラでも紙でも産業廃棄物になるシールを、何故、一般廃棄物として処分してしまったのでしょうか?

産業廃棄物として処理した場合、4.4トンで22万円かかるところ、一般廃棄物の処理としてかかった金額は4万円だったというところがポイントです。産業廃棄物は一般廃棄物の5倍以上のコストがかかるわけです。

ここからは私の憶測も入るのですが…

排出事業者がなんとか処理費を削減しようと、一般廃棄物の運搬業者に声をかけたのかもしれません。想定外にワクチン輸入中止で余ってしまったシールの処理費用が大きな痛手だったのでしょうか。
明らかな廃プラは市で受け入れできないことは分かっていたでしょうが、シールなら「紙くずに見えないこともない」として、市に持ち込めばなんとか安く処理できると考えたのかもしれません。

しかし、シール単品で5.4トンは一般廃棄物としては多すぎますし、ダンボールに詰まっているなど、おそらく製造元から直接排出されたであろう荷姿をしていたはずです。

それを何回かに分けて運び込んでいるわけですから、当然怪しまれますよね。結局、最後の1トンを運び込んだ際に、見破られたようです。

コスト削減に対してのリスクが大きすぎる

今回のケースでは、排出事業者と運搬業者双方の社長が逮捕されています。
運搬業者の社長が今後、起訴され裁判で有罪判決を受ければ、罰金刑もしくは懲役刑を受ける可能性があります。

許可がないのに産業廃棄物を運搬したことになるので、無許可営業として「5年以下の懲役、もしくは1千万円以下の罰金、または併科」の対象となります。

さらに、社長が罰金刑もしくは懲役刑を受ければ廃棄物処理法の欠格要件に該当し、一般廃棄物収集運搬業の許可取消となります。

(違反は量や金額の問題ではないことは承知の上ですが)5.4トン、数万円の案件で社長の逮捕と許可取消のリスクというのは、あまりにもバランスが悪いです。

廃棄物処理法の取り締まりは年々厳しくなっていること、加えて、違反が発覚した際のリスクが非常に大きいことがよく分かる事例ですね。

皆さんも、日々排出事業者からの要望を受け、様々な対応をされているかと思いますがしっかりと知識を持って、常に適正処理を行うように心がけていきましょう。

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