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2021-12-28

「知らなかった」が続出!許可証の読み方

委託契約書・許可証

このコラムを読まれているのは、廃棄物の収集運搬業や処分業をされている方が多いと思います。お手元にある自社の許可証、じっくり読みこんだことはありますか?

自社の許可証や、2次委託先の許可証など、業を行う上では重要なことは言うまでもありません。でも、許可証の項目を一つひとつしっかりと理解しているか…というとどうでしょう?

実は、許可証には多くの項目があり、そこから様々な情報が読み取れます。今回は、普段あまり読み込まない許可証に書かれている情報を改めて整理してみましょう。
「こんな項目があるなんて知らなかった!」という情報もあるかもしれません。

許可証の全項目を解説!

例えば、一般的な処分業の許可証はこのようなレイアウトです。
自治体によって多少の違いはありますが、項目自体は基本的に変わりません。

それでは、各項目を一つずつ見ていきましょう!

 

ア:許可番号
許可証の右上に書かれている、10桁または11桁の数字です。
この数字は、それぞれに意味があるんです。

A:都道府県/政令市番号
各自治体に番号が振り分けられています。
例えば、この部分が「001」の許可証は全て北海道の発行した許可証となるわけです。

B:業の種類を示す番号
処分や収集運搬だけでなく、表のように細かく10の番号に分かれています。

C:都道府県/政令市が自由に使用できる番号
各自治体で自由に設定しています。ここに0以外の数字が入っていると、何らかの分類分けがされていることが考えられます。ただ、どんなルールで分類分けをしているのかは、自治体に聞いてみないと分かりません。聞いても教えてもらえないこともあります…。

D:固有番号
処理業者に対して付与される6桁の番号です。1つの会社に対して、1つの番号が付与されます。別の都道府県だったり、処分と運搬だったりと、違う許可証であったとしても、この固有番号は必ず同じです。

イ:優良マーク
優良認定を受けている場合に表示されるマークです。
2次委託先などの許可証から、万が一優良マークがなくなってしまったら、何かの理由で更新時に優良認定が受けられなくなってしまったということです。この場合は、必ず理由を確認しましょう!
例えば、「財務状況の基準を満たさなくなった」という理由で認定がなくなっていたとしたら、要注意です。経営が悪化していることが伺えるので、自社としても何かしら対策をとっておく必要が出てきます。

ウ:住所・氏名・代表者
ここでの住所は、会社の登記上の住所であり、基本的には本社所在地の住所になっています。
ここに表示されている住所を契約書やマニフェストの、処分事業場として記載すると、「処分施設と違う場所」の住所を書いてしまう可能性もあります。要注意です!

エ:許可の年月日
文字通り許可が下りた日です。更新許可の場合には、更新の年月日が記載されます。

オ:許可の有効期限
文字通り有効期限です。最も見慣れた項目ですね。
許可の年月日から、通常5年、優良認定の場合は7年間有効です。

以降は、各項目がそのまま順番に番号を振って列挙されていきます。
収集運搬業と処分業で項目に微妙な違いがあります。

・事業の範囲
処分方法や、処分できる産業廃棄物の種類が記載されます。
運搬業許可の場合は運搬できる産業廃棄物の種類が記載されます。積替え保管を持つ場合には、「積替え保管を除く」と「積替え保管を含む」で、分けて廃棄物の種類が列挙されます。
また、積替え保管の場所や、積替え保管を行う廃棄物の種類、積替えのための保管上限及び積み上げることができる高さなどの、積替え保管に関する情報も記載されます。

・事業の用に供する全ての施設
処分施設ごとに、設置日や設置場所、処理能力などが書かれます。
自治体内にある全ての施設が列挙されるため、例えば県内に2箇所の工場を持つ場合には、別の市にある施設がこの項目に記載されます。
契約書やマニフェスト等に記載する住所を間違えないように、しっかり確認しましょう。

・許可の条件
許可に何かしらの条件がつく場合に、記載されます。
例えば、「処理後の品質検査を定期的に行い、報告すること」「敷地境界線の臭気濃度は〇〇未満を遵守すること」などといった、許可を取得する上で特別な条件が課されている場合にその内容が記載されています。
条件がない場合は「なし」と記載されます。

・許可の更新または変更の状況
これまでの更新履歴や、いつ優良認定を取得したのかなどが分かります。
設備を増やした(減らした)等の場合も、変更許可の履歴として残ります。

・積替え許可の有無
収集運搬業許可のみの項目です。
積替え許可について「有・無」が記載されます。しかし、積替え保管の情報については、「事業の範囲」に詳しく記載されていました。なぜ、ここにも?しかも有無だけを書くことに意味があるの?と思われた方もいるかも知れませんね。
でも、事業の範囲の部分に積替え保管場所の情報が記載されていても、この項目は「無」になる場合があるのです。
どういうことでしょうか?皆さんは、この謎を紐解けますでしょうか?

実は、この項目をもう少し丁寧に表現すると「都道府県内に政令市等がある場合、積替え保管場所が政令市内に所在することを理由とした政令市の許可が別に存在するかどうか?」を表しているのです。うーん、まだまだややこしいですね。

この項目の存在には前提として、

・収集運搬業許可は、都道府県の許可を取得していれば、その都道府県内にある政令市等で個別に許可を取得しなくとも、都道府県内全域で収集運搬業を行うことができる

・例外として「政令市等に積替え保管場所を設置している場合」には個別の許可が必要

という情報が必要です。

ということは、例えば東京都の収集運搬許可 があり、事業の範囲に積替え保管の情報がなかったとしても、この時点で「都内に積替え保管場所が無い」と判断してしまうのは早計ということです。東京都には中核市として「八王子市」があります。ここに積替え保管施設をおいた場合、東京都の許可と八王子市の許可が存在する可能性がありますね。この項目では、その有無を教えてくれているのです。

もし、八王子市に積替え保管許可がある場合には、次のように表記されます。

 

これは、「市の方にも許可があるから、そっちもチェックしてくださいね!」と教えてくれているのです。

・規則第9条2第8項の規定による許可証の有無(運搬)
・規則第10条の4第7項の規制による許可証の提出の有無(処分)

これは、廃棄物処理法施行規則の条文を引用していまが、この部分だけを見ても何のことだか全く分かりませんね…。
運搬と処分で引用している条番号が違いますが、同じことを指しています。
また、許可の取得時期によっても、項番号が違う場合もあります。これは別の部分の法改正によって繰り下がった影響です。

さて、本題の何を示しているか?ですが、先行許可制度を利用しているかどうかが書かれています。

先行許可制度というのは、すでに許可を受けている業者が別の許可を申請する場合に、すでにある許可証を提出することで、住民票の写し等、添付書類の一部が省略できる制度です。

複数の自治体で許可を取得することが多い運搬業で、よく見られることかと思います。

例えば…
産業廃棄物収集運搬業の許可を持っている状態で、同じ県で特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する。
A県の産業廃棄物収集運搬業許可を持っている状態で、B県で産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する。

上記のような場合に、書類が一部省略できるというわけです。
正直、これが分かったからといって、あまり意味がない気もしますが、「条番号だけで書かれていて全く分からない」のか「あまり影響がない項目だな」と把握しているかでは随分違いますよね。

以上で、許可証の項目を全て網羅できました。
いかがでしたか?「え?知らなかった!」という項目はありましたか?

普段、何気なく見ている許可証でも隅々まで見てみると、様々な発見があったのではないでしょうか?「業許可を取得しているけど知らなかった」という声は、許可証の説明をすると多くの方からお聞きします。

許可更新中の取り扱い

最後に、許可証の管理業務で最も多い「更新許可証の取り寄せ」についても、確認しておきましょう。

許可の期限が切れた場合、新しい許可証を排出事業者に送らなければなりません。
通常、期限が切れる日に、更新後の新しい許可証が発行されることは稀です。
新しい許可証が発行されるまで、少しタイムラグがあります。
その間は、取り急ぎとして「申請書の写し」を送付すればOKです。ひとまず、排出事業者も安心するかと思います。

ただし、注意しなければならないのが「申請書の写し」のまま放置してしまうことです。
写しを送ったまま、新しい許可証が届いているのに、送るのをすっかり忘れている…。

こうした状態で、排出事業者がISOの審査員に指摘されて問い合わせてくる…というケースが結構多いです。
「送られてないんだけど!」言われる前に、許可が下りたら必ず送付するといったスマートな対応をしていきたいですね。

執筆者

安井 智哉

廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。

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