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2022-04-08

【廃棄物の契約書】雛形を使用して作成するときのコツは?

委託契約書・許可証

今回は、法令を遵守した廃棄物契約書の雛形作成方法と、契約書の雛形についてよくある質問をQ&Aで紹介します。

Q:委託契約書作成は一般的に出回っている雛形を使用しておけば問題ない?

A:雛形の空欄を適切に埋める努力が必要です。法律上不要な項目(おせっかい項目)もあるので、自社に合った内容で契約書を作成する方が有益です。

実用的かつ汎用的な契約書の雛形が必須

法令を遵守した契約書を作るためには、自社専用の雛形となる様式を作ることが大切です。

法令で契約書に記載することが求められている内容(法定記載事項)を網羅するように条文を作成し、廃棄物の種類や予定数量、委託金額などは空欄にしておきます。
これで契約書の8割は完成です。これらの契約書の記載内容は、大きく3つに分けられます。

◆法令を遵守した契約書3つの記載内容

①固定の法定記載事項
②都度変動する法定記載事項
③任意の記載事項

法定記載事項①②

そもそも法定記載事項とは?

次に示す通り、上記の①②は共に廃棄物処理法上で定められている法定記載事項なので、一般的にはあまり区別されていません。
書面への記載が必要な事項は、廃棄物処理法施行令第6条の2第4号および規則第8条の4の2に規定されています。

※1:必要な事項の情報として、環境省「廃棄物情報の提供に関するガイドライン」では、排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する際、情報提供が必要な項目や契約書に添付できる廃棄物データシート(WDS)の様式例がとりまとめられているので参考になります。

※2:資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)に基づき、廃パーソナルコンピュータなど有害物質を含有する製品等については、日本産業規格(JIS C0950)に規定する含有マーク等による表示が義務づけられています。

まずは、契約書の3つの記載内容である固定の法定記載事項①②を詳しく紹介します。

JWセンターが法定記載事項の一覧を公開しています。例えば次の2点は「①固定の法定記載事項」に分類されます。

①固定の法定記載事項

7)委託業務終了時の受託者の委託者への報告に関する事項
8)契約解除時の処理されない(特別管理)産業廃棄物の取り扱いに関する事項

これらは、廃棄物の種類や予定数量、委託金額など、個別かつ具体的な契約内容に関係なく、
自社スタンスとして「解約になった場合の手順」等を決めて、画一的に契約書に反映すれば良い内容です。

あらかじめ雛形でこれらの項目を押さえておけば、①固定の法定記載事項が網羅されますから、
この部分で問題になることはないでしょう。

裏を返せば、都度編集することがない部分です。自社雛形で項目を固定すると便利になります。

②都度変動する法定記載事項

「②都度変動する法定記載事項」は契約に係る委託内容によって都度変わる部分を書き込まなければならない項目です。
廃棄物の種類や区分、数量、処理料金などに代表される、契約の主要部分です。これらは都度記入しなければならないため、各項目の意味を理解して確実に必要事項を埋めていく必要があります。

③任意の記載事項

そして、「③任意の記載事項」は法定ではないものの、各社が必要だと判断した条文を挿入します。例えば、実地確認に関する取決めや、秘密保持、反社会的勢力の排除等です。

これらは、一般的に出回っている雛形にも含まれています。こうした項目は、自社が本当に必要なものを取捨選択しなければなりません。

①~③の内容が一つでも違反すると契約書全体が不適切に

冒頭の①~③の項目がバランスよくしっかりと記載されることで、安定して運用ができる雛形が完成します。①が抜けていたり、②に本来求められている内容とは違うものが記載されていたりすると問題になります。

また、①②が良くても、③に適切ではない内容が挿入されていることによって、契約書全体が不適切になってしまう場合もあります。

例えば、「廃棄物の引き渡し後は、処理業者が全責任を負い、排出事業者に一切の責任は無いものとする」というような文言が入っていたとすると、そもそも違法な内容になってしまいます。

▲法定記載事項が守られていても、任意の記載事項から不具合が生じることも…。

排出事業者の雛形や、別の業者作成した場合(ex.自社が運搬の場合、処分業者の雛形)など、法律違反にあたる条文がないか、しっかり確認する必要があります。

執筆者

安井 智哉

廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。

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