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2020-01-09

マニフェストの代行は違反?

マニフェスト

「マニフェストの発行は、排出事業者じゃなくてもいいの?」という質問をいただきました。排出事業者がマニフェストを正確に作ることが難しい、回収時に立ち会いが出来ない、ドライバーに渡せない等、様々な理由で「マニフェストはそちらで準備して」と頼まれた経験があると思います。

こうした場合、実際にマニフェストはドライバーが持っていくケースもあるのではないでしょうか?マニフェストの発行は、どこまで代行してもいいのかを解説していきます。

マニフェストの「作成」と「交付」

排出事業者がマニフェストを発行するためには、大きく分けて2つの作業が必要です。

①必要事項を事前に記入する作業

②実際の回収が行われた際に、マニフェスト記載の内容に間違いが無いことを確認し、『交付担当者欄』に署名、B票以降を運搬業者に渡す作業

一般的に①を「作成」、②を「交付」と呼ぶことが多く、「発行」は①と②を合わせた一連の作業というイメージです。

まず「作成」に関しては、法律上、代行は明確に禁止されていません。そのため、代行可能という解釈もできますが、推奨されているようなものではありません。もちろん、マニフェストの発行は本来、排出事業者が責任を持ってするものですから、作成も排出事業者が行うものです。

しかし、サイン以外の項目の記入は委託する処理業者が代行し、排出事業者がサインのみをするということであれば、必ずしも違法ということにはなりません。

誰かにマニフェストを作成してもらうこと自体は禁止されていませんが、サインをした担当者が、マニフェストに記載された内容に責任を持つということになります。

内容に誤りがあった場合には、実際に誰が作成したかよりも「交付担当者」欄の人物に責任が問われます。サイン以外の記入は運搬会社に代行依頼しているというケースも多いかと思います。

マニフェストの交付代行は法的にOK?

続いて、「交付」の代行について、法的に問題ないかを考えていきます。

交付まで代行できれば、必ずしも回収時に排出事業の担当者が立ち会う必要がなくなります。紙マニフェストには「交付担当者」欄にサインが必要です。そのため、「マニフェスト交付」=「立ち会いが必要」と思われていませんか?

しかし、そもそも回収の立ち合いは法律的に必要なのでしょうか?

廃棄物の回収時の立ち合いに関しては、廃棄物処理法には記載されていません。マニフェストにサインしなければならないから、立ち合いが慣習的に行われている場合も多いですね。

紙マニフェストの場合は、廃棄物を引き渡すと同時にマニフェストを交付する必要があります。そのため、自然に立ち合いが行われます。では、サインを事前にしておいた場合はどうでしょうか?

「交付担当者欄」も含めて、必定事項をすべて記入したマニフェストを、事前に排出事業者から預かっておいたり、回収場所に常備してあるものを使用する、又は作成代行の時点で「交付担当者欄」まで記載されたマニフェストを使用したりするケースです。

サイン自体の代行まで行ってしまうのは、私としては、さすがに過剰なサービスになる印象を持ってしまいます。繰り返しになりますが、「交付担当者欄」のサインには、『実際に回収された廃棄物とマニフェストの内容に相違が無いことを確認しました』という意味があります。最低限、サインだけは先方にお願いするという対応をお勧めします。

電子マニフェストの場合は??

電子マニフェストの場合は、少しだけ事情が異なります。電子マニフェストの場合は、3日ルールが適用され、交付は廃棄物の引き渡しと同時ではなくともOKです。

3日ルールとは簡単に言うと、電子マニフェストの場合は情報処理センターへの登録(紙マニフェストの交付に該当)を、廃棄物を引き渡してから3日以内に行えばいいということです。

そのため、事前に排出事業者に予約登録してもらえば、現場でサインをもらわなくとも、3日以内に登録してもらえれば問題ありません。

さらに、最近では予約自体も運搬会社が変わりに登録できる「現場登録支援機能」もあります。詳しくは、コラム「電子マニフェストの新機能は使える?使えない?」をご覧ください。

意外と電子マニフェストの方が、柔軟にマニフェストの代理発行ができ、リスクも少ない事が分かります。

 マニフェストの代行は結局どこまでOK?

マニフェストの作成を代行すること自体は、法律で禁止されているわけではありません。しかし、交付時には、交付担当者欄のサインまで代行については、本来望ましくないということが分かりました。

ここまで整理すると、改めて皆さんの「代行」に関するお考えはいかがでしょうか?現状、代行をしているという方も思わぬところでトラブルにならないよう、リスクと注意点を知っておきましょう。

 



執筆者

安井 智哉

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