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COLUMN

コラム

廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。

行政処分 2018.02.27

廃掃法の規定に従っているのに行政処分?法規制を覆すかのような事例

こちらのニュース、実はかなり衝撃的なことが書かれているんです。
概要としては以下になります。

・岐阜県の処理業者(産業廃棄物の処分許可は持っているが、一般廃棄物の処分許可は得ていない)が5年以上にもわたり無許可でごみの処理を行っていた

・ごみの内容は主に発泡スチロールで、市では発泡スチロールは一般廃棄物と規定している

・この処理業者は産業廃棄物として発泡スチロールの処分を行っていたが、発泡スチロールは一般廃棄物と規定されているため、無許可で処分を行ったとして行政処分などを検討して

(参考:中日新聞Web)

発泡スチロール(しかも、卸売市場の営業から発生し大量に出る)を、産業廃棄物として処理してはいけないと、県と市が行政処分まで検討しているという内容です。

何が衝撃的かと言いますと、法律上、産業廃棄物で全く問題ないと思われる発泡スチロールを一般廃棄物にしなければならないという根拠を行政が突き付けている点です。

発泡スチロールの区分

発泡スチロールは一般的に合成樹脂でできていて、廃プラスチックに該当します。JWセンターがHPで紹介している一覧表には、「すべての合成高分子化合物」は「あらゆる事業活動に伴うもの」が廃プラスチックになるとしています。ですので、発泡スチロールは廃棄物処理法上、廃プラスチックなのです。

しかしながら、今回の事件で行政は発泡スチロールが“一般廃棄物”としています。理由は、市の出している一般廃棄物処理基本計画に書いてあるから…。

記事中では、「同法(廃棄物処理法)に基づく」となっていますが、基づいているとは私個人としては捉えがたいものがあります。

地方行政の権限

廃棄物処理法に基づくと、事業者から排出される発泡スチロールは“産業廃棄物”となります。この原則を覆す力は、地方行政には残念ながらないのです。

地方自治体は、一定の限度内で、法律の水準を上回る規制(上乗せ)や、規制の対象を拡大(横出し)することが認められています。

しかし、産業廃棄物である廃プラスチックを一般廃棄物に定義することは、上乗せでも横出しでもなく、法で決まっていることを、上書き・変更する行為になると考えられます。

あくまで、この報道が事実だとすれば…ですが。法律を守っていても県や市が(法の規定を無視した)独自ルールで取り締まるという事態となっています。これでは、すべての許可業者は何を信じて良いかわからなくなってしまいます。

あくまで報道ベースですので、何か別の前提や事実があるのかもしれませんが、今後の動向に注目していきたいと思います。

 

 

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