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COLUMN

コラム

廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。

委託契約書・許可証 2023.02.08

最終処分先の変更…通知してますか?

中間処理業を行っている場合は、中間処理後の廃棄物をニ次処理委託し、最終処分先は委託契約書やマニフェストのE票に記載しますよね。

さて、この最終処分場が変わったり追加になったりするときに、排出事業者に通知していますか?
「最終処分先の変更・追加は通知する」というのは理解してはいるものの、主に工数の部分から中々厳しい事情もあります…。

今回は、最終処分先の変更・追加を適切に通知するためのポイントをお伝えします。今もしっかり通知しているよ!という方も、効率的な方法をご紹介しますので、ぜひ読み進めてみてください。

全ての排出事業者に対応しきれない?

最終処分場の変更・追加で、まず思い浮かぶのは「覚書」での対応です。

契約書の内容を変更するのだから、覚書を作って、両者押印…というのは、適切な対応です。
しかし、契約している全ての排出事業者に対して、覚書を作成するのは、それはそれは大変です。覚書の作成だけではなく、郵送作業や返送された覚書をファイリングする等、様々な手間がかかります。

覚書を送った排出事業者から「内容がよくわからない」などの問い合わせがあったり、「覚書ではなく、契約書の結び直しをして欲しい」という要望があったりする可能性もあります。結局、対応にかかる事務工数が膨大になってしまう可能性が高いわけです。

コスト削減のために新しい最終処分先を追加するのに、削減効果が吹っ飛んでしまうほどの工数をかけていては、本末転倒に感じてしまうかもしれません。

コスト削減ではなく、今までの最終処分場が閉鎖したり、受け入れ制限などによって、コスト増になったとしても切り替えざるを得ない…という場合もあります。
この場合には、コスト増に更に大きな工数をかけるダブルパンチです…。

さて、こうなってくると「全ての排出事業者に対応したらパンクしてしまう!」という声も出て来るような気がします。

覚書はそもそも必要?

「工数がかかりすぎる!」という理由で、排出事業者に全く通知しないというのは、やはり適切とは言えません…。

とは言え、全ての排出事業者に「覚書の締結」や「契約書の再締結」という対応をすることは難しいのも理解できます。では、「そもそも本当に覚書が必要なのか?」と考えてみましょう。

確かに「最終処分の場所」は処分委託契約書に必ず記載しなければならない「法定記載事項」です。この「法定記載事項」に変更があったなら、覚書を交わすのが普通に思えます。

しかし、例えば同じく法定記載事項の「事業の範囲」では多くの雛形で「許可の有効期限」を記載していますが、許可が更新されて有効期限が変わったら、覚書を交わしていますか?
私は、許可更新で覚書を交わすというのはこれまで聞いたことがありませんし、それで取り締まられた事例も知りません。

法定記載事項の変更=覚書の締結、というわけではないようです。

法定記載事項の中で、「重要な事項」を変更した場合には覚書の締結が必要ですが、そうでなければ不要ということです。
となると、「重要な事項」って何?と思いますが、一つの基準は印紙税法上の「重要な事項」を見れば良いと思います。

これは、印紙税法上でこれらの「重要な事項」が書かれた文書が課税対象になるという基準ですが、重要かどうかを判断する一つの基準として参考になります。


出典:国税庁HP

 

最終処分場所は「重要な事項」ではないので、覚書の締結までは必須ではないと判断します。

かといって、全く通知しなくて良いわけではありません。
排出事業者は、契約の通りに最終処分されているかをマニフェストのE票と照らし合わせてチェックする「確認義務」があるので、契約書と違う最終処分場を報告するわけにはいきません。

この場合は、新しい最終処分場一覧を作り「変更があったので、最新の最終処分先一覧として契約書と一緒に保管をお願いします」という文書を送付します。メールでもFAXでも良いですし、両者の押印も不要です。
一斉送信するだけなので、全ての会社に覚書を交わすよりはずいぶん楽ですね。

もちろん、覚書を交わしたり、契約書を結び直したりすることが一番手堅い方法ですが、それらが難しい場合には、全く対応しないのではなく、最低限の通知は行っておきましょう。

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