COLUMN
コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
事業停止命令・許可取消が前年の5倍!厳格化する行政の取締り
産業廃棄物に関する行政指導や処分のニュースは、最近頻度が上がっている気がします。また、前例のない様な細かな違反でも厳密に取り扱うことも。今回は、昨今の取締りの強化の現状についてお伝えしたいと思います。
改善命令以上の事例件数が約5倍!
例えば三重県は、全国的にも条例や取り締まりが厳しい印象ですが、行政の発表した資料によると、平成27年度に比べ平成28年度には、改善命令以上の事例件数が、約5倍になっています。
県へ実施した聞き取りでは、「指導・処分すべき事案を適切に取り扱うことで、抑止効果を見込んでいる。こうした取り組みは、全国でも珍しいと思うが、今後のスタンダードになれば…」とのことでした。
なぜ、行政処分・指導が厳しくなった?!
特に法改正があったわけではないので、単純に行政の取締が厳格化していると考えられます。もともと、法律として取り締まられるべきものですから、急に厳しく見るなんてずるい!とも言えません…。
きっかけは予測の範疇を出ないのですが、やはり食品廃棄物横流し事件ではないでしょうか?その後、廃掃法改正に向けた会議が進んでいく過程で、こんな文書も出ています。
【廃棄物処理制度専門委員会報告書(案)の概要】
● 行政処分の対象を拡大するなど、強化してきた規制の実効性をさらに高めることにより、権限を有する地方自治体が可能な限り迅速かつ適切に対処できる仕組みとする
● 都道府県による事業者に対する監視体制の強化を通じた透明性と信頼性の強化(一定程度の抜き打ちの立入検査、立入検査マニュアルの策定等)
廃棄物処理制度専門委員会報告書(案)より引用
簡単に言いますと、「新しい規制を作るのもいいけれど、今ある法律でも十分厳しいのに、それをフルに活用していない。現行法を厳密に実行せよ」といったところでしょうか?
法改正の内容ももちろん重要ですし、動向が気になるところですが、表立った部分だけでなく、現行法の詳細も一度、確認しなおしてみる必要がありそうです。
執筆者
長谷川 優子
お客様への情報のご案内を担当。廃掃法等、難しい法解釈も廃棄物処理業者様・再生資源事業者様の観点から分かりやすくお伝えすることを大事にしています。
お客様が抱えられている日々の悩みや課題等を、少しでも解決&サポートできるよう努めてまいります!