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廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
産業廃棄物と一般廃棄物の違いを解説【その場で分かるフローチャート付】
現在、産業廃棄物と一般廃棄物の区分について行政の取り締まりが厳しくなっています
そもそもなぜ、産業廃棄物と一般廃棄物の違いに関して、行政の取り締まりが厳格化されているのでしょうか?
それは、ある重大な事件がきっかけであると考えています。
目次
ダイコー事件をきっかけにあいまいな廃棄物区分が厳格化
その事件とは、2016年1月に発覚した食品廃棄物不正転売事件(ダイコー事件)です。
皆さんがご存知の通り、有名な事件ですよね。実は、この事件の行政の立入検査により、ある事が発覚していたのです。
一般廃棄物を産業廃棄物に混ぜて処理
I社の社員食堂から出た残飯の一般廃棄物を、産業廃棄物と混ぜ、産業廃棄物の許可しか持たない業者に委託していたことが発覚したのです。
法律では産業廃棄物も一般廃棄物も、それぞれ認可を取得している業者への委託が必要であるにも関わらず、一般廃棄物を産業廃棄物の許可しか持たない業者に委託を行っていたのです。
処理業者もそれを知ってか知らずか、一般廃棄物を受け入れていました。受け入れた処理会社は“無許可営業”にあたる可能性があります。
この事件をきっかけに、食品業界のみならず、今まで産業廃棄物と一般廃棄物のグレーゾーンだった範囲にメスが入り、取り締まりが厳格化してきていると予想しています。
どのように産業廃棄物と一廃廃棄物の区別・判断をすれば良いの?
いつ・何のきっかけで、自社に立ち入り検査があるか分かりません。「もしも」に備えて、改めて産業廃棄物と一廃廃棄物の区分を明確にしておきましょう。
まずは20品目にあてはまるかどうか
産業廃棄物とは事業活動に伴って生じた不要物のうち、法で指定された20品目に当てはまるものです。20品目に当てはまらなければ事業系一般廃棄物です。
産業廃棄物20品目
業種指定7品目に注意
しかし、20品目の中には、特定の業種から発生した場合にのみ、産業廃棄物となるものがあります。
これを業種指定7品目と呼びます。
業種指定7品目
産業廃棄物と一般廃棄物の判断がその場でできる!ポケットフローチャート
これらをまとめて、質問に答えていただければ簡単に産業廃棄物と一般廃棄物の判断ができるフローチャートを作成いたしました。
また、印刷いただき手帳などに入れていただいたり、構内に掲示したり社内教育資料としてご利用いただくのもおすすめです。「産業廃棄物か一般廃棄物なのか…」と判断に迷ったときにはご活用ください。
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上記、厳格化される行政処分にあわないために、日頃から対策をしていきましょう。
執筆者
安井 智哉
廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。