COLUMN
コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
産業廃棄物のマニフェストは持ち込み時の発行で問題ない?
今回はマニフェストの発行について、お客様からよくいただくご質問を解説していきます。
目次
ケース①:廃棄物の持ち込みがあったときに排出事業者がマニフェストを持っていない。その場で発行していいの?
発行は排出事業者の責任である前提のもと、その場で発行することは可能です。
紙マニフェストは、排出事業者が運搬会社または処分会社へ廃棄物を委託するタイミングで必要です。
そのため、持ち込みのその場でマニフェストを発行すること自体は、問題がありません。必ずA票を排出事業者が持ち帰るようにしましょう。マニフェストを交付していなかった場合、マニフェスト交付義務違反になりますので注意が必要です。
排出事業者にマニフェストを持ってきてもらうためには、どうすればいいの?
排出事業者が自ら運搬をする場合は、運搬会社へ廃棄物の運搬委託をしていない状態なので、マニフェストを持っていなくても違法ではありません。ただ、処理会社としては、「その場での発行も手間だし、排出事業者に紙マニを持ってきてほしい」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
その場合は、排出事業者が持ち込みの際に、廃掃法上、義務付けられている書面を携帯しているかどうか?を確認しましょう。
排出事業者が自社運搬を行う場合、下記の必要事項を記載した書面の携帯が義務付けられています。
・排出事業者の氏名及び住所
・運搬する産業廃棄物の種類及び数量
・産業廃棄物を積載した日
・排出事業場の名称、所在地および連絡先
・運搬先の名称、所在地および連絡先
どれもマニフェストを持っていれば満たされる情報なので「マニフェストを持っていたほうが楽」と排出事業者に提案すると良いのではないでしょうか?
ケース②:収集運搬会社から受け取ったマニフェストに、交付担当者の署名欄と捺印がないことが発覚した場合はどうする?
署名欄については、排出事業者に確認した上で代筆が現実的です。
交付担当者の欄は、法定記載事項に含まれているため、空欄にした状態で発行するとマニフェスト交付義務違反(未記載)になる可能性があります。そのため、必ず埋める必要があります。
排出事業者までマニフェストを持っていき名前を書いてもらう、または郵送して名前を書いてもらい、返送してもらう…これらが理想的ではありますが、日々多くのマニフェストを取り扱う中では難しい場合もあるのではないでしょうか?
その場合、排出事業者に連絡をし、了承を得た上でその場で代筆することが現実的かと思います。
一方、印鑑については、法廷記載事項には該当していないので、捺印が無くても法的には問題ありません。
日々取り扱う量が多いマニフェスト。些細な部分だから…、経営層が管理しない部分だから…と違法な状態が放置されがちです。今回ご紹介したようにトラブルが起こったときの対応方法を身に付けるとともに、抜け漏れのない仕組みづくりをされることをおすすめします。
執筆者
長谷川 優子
お客様への情報のご案内を担当。廃掃法等、難しい法解釈も廃棄物処理業者様・再生資源事業者様の観点から分かりやすくお伝えすることを大事にしています。
お客様が抱えられている日々の悩みや課題等を、少しでも解決&サポートできるよう努めてまいります!