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COLUMN

コラム

廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。

管理者向け 2024.09.05

経営層が知っておくべき「安全配慮義務違反」

産廃業界では、危険物や様々な重機を扱うことから、従業員の安全に対する配慮が特に求められます。これらが不十分だと、重大な事故が発生するリスクが高まり、その結果として会社が安全配慮義務違反の責任を問われるケースも増えています。

本コラムでは、安全配慮義務違反に該当する具体的なケースを例示しながら、その重要性と対策について解説します。

産廃業界の安全配慮の重要性

産廃業界では、廃棄物の収集、運搬、中間処理、最終処分などの工程があり、さまざまな作業が行われており、そこには多くのリスクが潜んでいます。

例えば、重機の操作、廃棄物の積み下ろし、高所作業、化学物質の取り扱いなど、これらはすべて潜在的な危険を伴います。したがって、企業は従業員の安全を確保するために、適切な安全対策を講じる必要があります。

この「安全配慮義務」は、労働安全衛生法に基づいており、企業が従業員の生命や健康を保護するために必要な措置を講じる責任を負うものです。

安全配慮義務違反の具体例

安全配慮義務違反とは、企業が従業員の安全を守るために必要な対策を怠った結果、事故が発生した場合に該当します。具体的にはどのようなケースがあるでしょうか?代表的なものをいくつか紹介していきます。

1.防護設備の不足

ある産廃処理施設で、高所作業中に労働者が転落事故を起こしました。調査の結果、作業現場には適切な防護柵や安全ネットが設置されておらず、安全帯の使用も義務付けられていませんでした。これは企業が高所作業に伴うリスクを十分に考慮せず、必要な防護設備を提供していなかったためであり、安全配慮義務違反に該当します。

2.教育・訓練の不十分

廃棄物の収集作業を行っていた労働者が、危険物を誤って取り扱い、火傷を負ったケースです。この労働者は、化学物質の取り扱いに関する十分な教育や訓練を受けておらず、また、作業マニュアルも不備があったことが明らかになりました。教育・訓練の不十分さは、労働者が危険を認識し、適切に対処する能力を欠如させる原因となり、安全配慮義務違反とされます。

3.定期的な点検・保守の怠り

産廃の中間処理プラントにおいて、機械設備の老朽化が原因で火災が発生しました。調査の結果、機械の定期点検や保守が適切に行われていなかったことが判明しました。これは、設備の安全性を維持するための義務を怠ったものとされ、企業の安全配慮義務違反として処罰されることがあります。

企業が負うべき責任とリスク

安全配慮義務違反が認定された場合、企業はどのような対応を求められるのでしょうか?まず、労働基準監督署や関連機関からの行政処分として、業務停止命令や罰金が科される可能性があります。また、被災した労働者やその家族からの損害賠償請求が行われることもあります。さらに、重大な事故が発生した場合には、企業の社会的信用が失墜し、顧客や取引先からの信頼も低下するリスクがあります。

安全対策の見直しを

企業が安全配慮義務を果たすことは、労働者の安全を確保するだけでなく、企業自身のリスクを低減し、持続可能な経営を実現するために不可欠です。危険な作業が伴うことが多い産廃業界では、特に注意していかなければならないところです。経営層の方々には、この義務の重要性を認識し、リスクアセスメントや社員教育など、自社の安全対策へ積極的に取り組む姿勢が求められます。

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