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コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
人手不足解消!AI-OCRとRPAで進めるマニフェストのDX化
皆さんの会社では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進み具合はいかがでしょうか?産廃業界では、なかなか人が採用できずに困っているという声をよく耳にします。そして「どこからDX化を進めたらいいのか…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
今回は、業界特有でもあるマニフェスト業務を例に、DX化の課題と業務を自動化することで得られるメリット、そしてそれを実現するツールについてお話しします。
産廃業界の業務特性
産廃業界では、マニフェストや計量伝票、配車表などが紙やExcelで管理されていることが多いのが現状です。また、人手不足が常態化していることから、特定の人に業務が集中してしまい、結果的に業務負担が大きくなってしまいます。年末年始や繁忙期には特に業務が集中し、さらに体調を崩すスタッフがいると業務が回らなくなる、なんてこともよくありますよね。
特に、皆さんの業務の中で「マニフェストをもっと効率よく処理したい」と考えている方も多いはずです。しかし、人手が足りない現状では、どうしても記載ミスや確認不足が発生してしまいます。限られた人数とリソースで大量のマニフェストをさばく必要があると、業務負荷はさらに増えてしまいます。
実際、産廃業界ではDX化が進みつつありますが、まだまだ多くの企業が紙ベースのアナログなマニフェスト管理に依存しています。紙の管理は手間がかかるだけでなく、データの正確性を保つのが難しく、業務効率を下げる原因にもなります。
マニフェスト業務を自動化するツールとその効果
マニフェスト業務を自動化して負担を軽くするために、特に有効な2つの手法をご紹介します。
①AI-OCRでデータ化
AI-OCRは、紙のマニフェストに書かれている情報を読み取り、CSVデータに変換してくれるシステムです。AIが搭載されているため、産廃業界特有の手書きの文字やクセがあっても、精度よく認識し、それらを学習していきます。従来のOCRでは読み取り精度が平均50%程度だったのに対し、AI-OCRでは99%の精度が期待できるようになりました。これにより、紙マニフェストのデータ化が非常に効率的になります。
②RPAによる入力業務の自動化
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、基幹システムやExcelに手作業で入力していた業務を自動で行ってくれるツールです。AI-OCRでデータ化されたマニフェストの情報を自動でシステムに入力することで、人的ミスを大幅に減らすことが可能になります。実際に、AI-OCRとRPAを組み合わせることで、毎日2時間かかっていた業務が10分で完了するという事例もあります。入力ミスが減り、確認作業にかかっていた時間を削減することで、他の付加価値の高い業務に専念することができます。
DX化を進めて業務効率アップ!
マニフェスト業務を見直すと、非効率な点やミスが多く改善の余地があることに気付くはずです。AI-OCRやRPAを活用することで、大幅な効率化が期待できます。まずは、できるところからDX化を進めてみてはいかがでしょうか?
執筆者
安井 智哉
廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。