COLUMN
コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
経営者必見!驚くほど簡単な経営組織論
前回の「スマートウォッチ」のコラムに引き続き、今回は廃棄物管理や労災とは少しテーマを変えて、最近読んだ本の中から、興味深かった点についてご紹介していきます。
目次
全米で5年間のベストセラー
100万部以上売れた名著『ビジョナリーカンパニー2』
皆様は、『ビジョナリーカンパニー2』という本をご存知でしょうか?
本書は、経営書として全米でベストセラーになった経営の哲学書です。著者であるジム・コリンズが、6年の歳月をかけて「良い企業(グッド・カンパニー)」と「偉大な企業(グレート・カンパニー」の違いを調べ上げ、そこから得られた知見を、飛躍を遂げた偉大な企業の法則としてまとめた本です。
全米1435社の中から、卓越した業績を長期間持続させることに成功し、飛躍を遂げた偉大な企業(グレートカンパニー)として選ばれた11社には様々な共通点があったのです。
その中の「経営組織論」について、今回はご紹介します。
誰をバスに乗せる?
飛躍を遂げた偉大な11社の経営者は、組織形成において、ある考えが共通していたのです。
それは、『適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこに向かうべきかを決めている。バスの目的地を決めた後に、その目的地まで旅をする。』という考え方です。
著者は、人を採用することを「バスに乗せる」と表現しています。「目的地」よりも、まず「誰をバスに乗せるか」を決めることが、組織の命運を分けると主張したのです。会社のビジョンも戦略も、戦術も、組織構造も、「誰を選ぶか」をまず決めてからだということです。
飛躍を遂げた企業の経営者たちは、この原則に一貫していたそうです。
最初に人を選ぶことで何が違う?
組織によくある問題
経営者の皆様はこんなご経験はないでしょうか?
・能力やスキルとしては優秀だけど、どうも扱いにくい…
・営業戦略や社内の仕組みを変えようとすると抵抗される
・他の社員とそりが合わず、何かとトラブルになる
組織は年齢や人生経験も異なる人たちで構成されるため、様々な問題が発生するのは致し方ない部分ではあります。しかし、誰がバスに乗っているかでこの悩みの深刻度は変わります。
「適切な人」が乗ると何が変わる?
本の中では、飛躍した企業の経営者たちがこの原則を一貫しているのは、次の3つを理解しているからだと述べられていました。
①「誰をバスに乗せるか」がしっかりしていれば、途中で「目的地」が変わっても、問題が起こりにくい。
②適切な人たちが乗っているバスなら、動機付けや管理の問題がほぼなくなる。
③不適切な人ばかりでは、正しい方向性や方針が分かっていても、偉大な企業になることができない。
事業経営には環境変化への対応は必要不可欠です。時として、行く先を変えなければならないことも出てきます。その時に、柔軟に動けるかどうかが左右されるということです。
「誰を乗せて、誰を降ろすか…」と言うと、冷酷な印象があるかもしれません。これは、むやみやたらに人員削減や解雇をするという意味ではありません。厳格さをもって人材を探し、人事を決定していくことがいかに重要かということを表しています。
組織やチームのパフォーマンスを最大化するために
著者は、『人材は最重要の資産ではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産である』と結論付けています。
もし、今の組織に違和感がある場合、「何をやるか、やらないか」だけではなく、「誰を採用するか(バスに乗せるか)」を今一度、見つめ直してみると良いかもしれません。
また、ついつい問題社員に時間や労力をかけてしまったり、その人を基準にルールを決めたりすることがあるかと思います。しかし、自社にとって適切な人材が働きやすい職場の環境づくりこそが組織のパフォーマンスを最大にするポイントになると言われています。
ぜひ参考にしてみてください。
執筆者
安井 智哉
廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。