COLUMN
コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
【立入検査】行政が最も見るのは保管基準
”廃棄物処理法は改正されるごとに厳しさを増していきますが、さらに法律に基づいて取締りをする行政側の対応も日に日に厳しくなっている”という事実は、「事業停止命令・許可取消が前年の5倍!厳格化する行政の取締り」にて、詳しく取り上げました。
今回は、そもそも行政は取締りをする際にどこを見ているのか?を解説します。
最重要ポイントは保管基準
なぜなら、保管基準(現場)は”分かりやすい”からです。委託契約書やマニフェストなど、骨の折れる書面のチェックよりも、保管量が多い、保管表示の不備などの内容の方が一見して分かりやすく、指摘しやすいのではないでしょうか?
また、過剰な保管は不法投棄・不適正処理の前兆として警戒されます。何らかの理由で処理が滞った場合、適正な処理ができないために不法投棄・不適正処理に発展する可能性があるのではないか?と疑われます。
ちなみに、過去には自社敷地内での保管であっても大量になりすぎたという事で許可取り消しになった事例もあります。
保管基準は、非常に重要ですので今一度、このコラムで確認していきます。
特に注意したい掲示板と廃棄物の高さ
今回は、中間処理における保管基準を紹介します。
中間処理における保管基準は、基本的に排出事業者の保管基準と同じです。詳しくはJWセンター産廃知識の保管基準をご覧ください。
特に注意しなければならないのは「掲示板」と「廃棄物の高さ」です。
掲示板は縦60×横60cm以上の大きさで、必要事項を満たしている必要があります。
掲示板の表示に関する必要事項
●産業廃棄物の保管の場所である旨の表示
●保管する産業廃棄物の種類(当該産業廃棄物の石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨を含む)
●保管場所の管理者の氏名または名称および連絡先
●屋外で容器を用いないで保管する場合は、最大積み上げ高さ
●掲示板の大きさ 縦60㎝以上×横60㎝以上
▼掲示板の例
廃棄物の高さについて
高さも細かく定められていますが、現場で測りながら積み上げることは実務上困難ですし、そこまで厳密に見られるようなものでもありません。
しかし、明らかに高積みしてしまっている、または壁ギリギリまで積んでいてこぼれそうな状態にならないように注意しましょう。
▼高さの基準の図
中間処理の保管基準では自社処理能力に注意
中間処理の保管基準が排出事業者と違う点が1つだけあります。
それは、自社処理能力の14日分を超える量を保管してはならないという点です。
保管上限(基本数量)=1日の処理能力×14
保管場所をどんなに広く取ったとしても、処理能力とあまりにもかけ離れた保管ができません。この点も継続的な適正処理ができているかどうかという観点からチェックされる可能性がありますので、ご注意ください。
万が一の立ち入り検査に備えて、保管現場の見直しをおすすめいたします!
執筆者
長谷川 優子
お客様への情報のご案内を担当。廃掃法等、難しい法解釈も廃棄物処理業者様・再生資源事業者様の観点から分かりやすくお伝えすることを大事にしています。
お客様が抱えられている日々の悩みや課題等を、少しでも解決&サポートできるよう努めてまいります!