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2020-06-05

コロナウイルスが与える廃棄物処理業者への影響

その他

新型コロナウイルスの「緊急事態宣言」が全国で解除された今もなお、様々な要因で企業は売上減少などの悪影響を受けています。

また、在宅期間が増えたことで家庭から出るごみが増えている一方で、全国の飲食店や商業施設などの事業活動が停滞したことにより、「事業ゴミ」の減少が顕著に表れています。さらに、原油の暴落などにより廃油リサイクル業者への影響も…。

今回は、コロナウイルスが与える廃棄物処理会社への影響を見ていきます。

事業活動をストップできない廃棄物処理業

新型コロナウイルス感染症対策本部で決定した「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」において、廃棄物処理会社は緊急事態宣言時にも事業の継続が求められる事業者と位置づけられています。廃棄物処理は、国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業であるためです。

しかし、企業活動を継続していかなければいけない反面、回収する廃棄物が少なく、売上が減り経営を圧迫しているのが実情となっています。

東京二十三区清掃一部事務組合によると、2020年2月24日から4月14日までの事業系ごみの搬入量は、前年同時期比で約2割減。大阪市など周辺4市の事業系ごみを受け入れる大阪広域環境施設組合も、4月23日までの1週間で前年比約3割減の状況になっているそうです。

原油価格が一時的に史上初のマイナスに

再生利用する廃油リサイクル業者が危機に直面しています。

新型コロナウイルスの感染拡大で自動車メーカー等の生産活動が停滞。加えて、原油価格が暴落したことで新油価格の大幅な安値と連動して、再生品が市場下落し、需要減少と納入価格の下落が再生業者を圧迫しています。

また、納入価格の下落の他にも、自動車メーカーをはじめとする企業が工場を一部停止するなどし、需要が減退しているのも、大きなマイナスの要因となっています。

再生業者は、これまで廃油を有価で回収しています。しかし、これらの状況から有価で買取することが難しくなりつつあり、買取価格の減額のみならず、産業廃棄物として処理費を排出事業者が支払う動きが出てくるかもしれません。

経済回復はまだまだ不透明

廃棄物の収集運搬や処理は経済活動の維持にも必要不可欠な業務であるため、赤字でも日々の事業活動をストップすることができず、悩まされている経営者様も多いと思います。

また、外出自粛などによる他業界の事業活動の停止・停滞は生産量が減り、その結果、排出量も減るため処理業者としてはかなりの痛手となっています。また、静脈産業はその特性上、他の業界よりも影響が出るタイミングに時間差があると言われています。

まだまだ先行きが不透明な状態であるのは変わりありません。

アフターコロナへの対応力

「アフターコロナ」と言われるように、私たちの生活・仕事は様変わりしました。リモート・オンライン会議が当たり前となり、ある経営者の方は「1ヶ月にあれだけ出張して時間とお金を使っていたのは何だったんだ?!」と話されていました。必要だと思っていたものがそうではなくなる…そんなことが起きています。

自社を見渡してみた時、いかがでしょうか?リモート会議に限らず、システムを活用して「出社」や「対面のやり取り」を減らして業務効率を上げられる余地はないでしょうか?処理フローの見直しで、ムダな作業を無くしたり、安全性を上げたりすることも出来るかもしれません。

仕事のやり方や仕組みを変えるにはエネルギーがいります。しかし、アフターコロナを生き残るためには、企業命題となるのではないでしょうか?

執筆者

安井智哉

廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。

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