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COLUMN

コラム

廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。

その他 2018.07.13

【あわや不適正処理】特定家電引き取りのリスクとは?

2018年6月12日、経産省・環境省が大手引越業S社に対して、家電リサイクル法対象機器の不適正処理に対する是正勧告を行いました。

詳しくは経産省ホームページの「家電リサイクル法対象機器の不適正処理に係る勧告及び報告徴収」をご確認ください。

これは、S社が引越しの際に引き取った廃エアコンを、その後、家電リサイクル法では認められていない「スクラップ業者への引き渡し」をしていたという内容です。事件をきっかけに引越業界全体への注意喚起も行われ、今後家電リサイクル関連はより厳しくチェックされる可能性があります。

今回は、そもそも家電リサイクル法では何が対象となるのか?、引取業者はそれらをどのように扱えば良いのか?を解説します。

対象に該当する家電4種類

まず、対象物となるのは

エアコン  テレビ  冷蔵庫(冷凍庫)  洗濯機(乾燥機)

の4品目で、これらが廃棄物となった場合「家電リサイクル法」の対象になります。

リユース品に関しては対象ではありませんが、有価物であったとしてもリユースではない場合は対象です。

例えば、まだ使用できるテレビを中古品として売るのであれば、対象にはなりません。

しかし、使用できるにもかかわらず、一部のパーツだけ取りたいなど、テレビとして使用する以外の目的で引き取るのであれば対象となります。

引き取り後の対応

引取業者は、引き取った後は指定引取場所と呼ばれる、製造業者等が指定する場所に運搬します。小売業者が自ら回収、運搬する場合には、一般廃棄物もしくは産業廃棄物収集運搬の許可は不要です。

今回問題となったのは、S社が、指定引取場所ではなく「スクラップ業者」に引き渡した点です。S社は、販売も行っていたことから小売業者に該当するとされていました。販売時もしくは、過去に販売した物に限り、運搬までは自社で行うことができます。

しかし、回収後の運搬先は指定引取場所でなければならないのに、「スクラップ業者」に持ち込んでしまった点が不適正だと指摘されました。

特定家電の産廃処理は”リサイクル水準”に注意

では、排出事業者から「特定家電」の引取りを求められた場合どう対処したらよいのでしょうか?

結論から言えば、一般廃棄物もしくは産業廃棄物の業許可として適切な許可を有していれば“法律上は”取り扱いができます。

電子マニフェストの廃棄物分類コードでも「廃電気機械器具」の中に、特定家電に該当する品目もあります。JWNET 電子マニフェストシステム各種コード表をご確認ください。

また、経済産業省が公表している資料「家電リサイクル法のポイント」でも、廃棄物許可業者へ引き渡すルートが記載されているところから、廃棄物処理は違法でないという事が分かります。


▲経産省 家電リサイクル法のポイント
引用:経産省 家電リサイクル法のポイント

 

しかし、経産省から発行されている「家電リサイクル法ルート以外の処理ルートにおける廃家電の処理について」には、下記のように明記されており、その処理基準は「(家電リサイクル法の)製造業者等と同等のリサイクル水準を達成すべき」とされていることが分かります。

 

廃家電の処分については、廃棄物処理法に基づき定められている廃棄物処理基準で規制されており、
当該基準の遵守により、(中略)有害物質の適正処理を確保することとしている。
製造業者等以外の者による廃家電の処分についても、製造業者等と同等のリサイクルの水準を達成するべきこととしている

引用:経産省 家電リサイクル法ルート以外の処理ルートにおける廃家電の処理について

 

むやみに、特定家電を引き取るのは、リスクとなりそうです。
対象物の引き取り依頼をされた時に、気が付けるよう、社内へ周知されることをおすすめします。

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