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2019-08-16

中国の輸入規制で行き場のない廃プラはどうなる?

その他

最近、廃プラスチックの中国の輸入規制に関する記事が多くなってきています。

多くの記事の概要は以下の通りです。

・有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約の対象に、汚れたプラスチックごみを加えることになった。
・日本はプラごみを東南アジアなどに輸出しているが、それが事実上困難となる。
・行き場を失うプラごみの処理の体制強化とともに、使い捨てプラ製品の削減など対策を急ぐ必要がある。
・問題の抜本的な解決には、米国に次いで世界2位の1人当たりのプラ消費量を減らし、プラごみの発生を抑えることが王道と言われている。
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中国が2018年末に、廃プラスチックの輸入を停止して以来、国内では廃プラの市場が厳しくなる一方で、保管量がどんどん多くなっているようです。その影響により、廃プラスチックが燃え、火災が発生する事故も起きています。
今回は、廃プラスチックの保管量増加の大きな原因となっている「中国の廃プラスチック輸入規制」について、今後の予想も含めお話しします。

廃プラスチックに有価物の道はない?

これまで有価物として売ることができていたものを廃棄物として取り扱うことに、違和感を覚える担当者の方も多いようです。ただ、有価物として売却できる先がないかと探しているうちに、保管量が増大していきます。
これが、火災を引き起こしてしまう原因の一つとなっています。
>>廃プラの火災に関するコラムはこちら

「有価物として扱うことはできないの?」と、排出事業者の担当者から相談を受ける方も多いのではないでしょうか?

率直にお伝えすると、国内でも有価物としての処理は難しいというのが現状です。
下記のグラフを見れば、現状がお分かりいただけるかと思います。

▲環境省HP「プラスチックを取り巻く国内外の状況」より引用

これまで、日本は廃プラスチックの約7割を中国に有価物として、輸出してきました。これだけの需要が一気に無くなれば、その代わりはそう簡単に見つかるものではありません。国内で有価物として扱おうとしても、そもそも需要に対して比べ物にならないほどの差があるため、厳しい言い方にはなりますが、「今まで通り有価物として扱ってほしい」という要望自体が、「現実的ではない」と捉えるべきだと言えるでしょう。

廃プラスチックの行き場は?行政は?

政府は、対策として廃プラスチックのリサイクル施設を作る場合、整備費の1/2を補助する緊急的な財政支援制度を、2017年11月に創設しました。しかしながら、施設の整備には時間がかかる上に、そもそもの需要問題に対する直接的な対策にはなりません。

さらに、2019年5月20日付で「廃プラスチック類等に係る処理の円滑化等について(通知)」が発表されました。

内容を簡単にまとめると、
『廃棄物として処理されるプラスチックが大幅に増えたので、産業廃棄物処理業者だけではまかないきれない。そのため、稼働率に余裕がある市の焼却処分場で焼却処理することも検討して下さい。』という各自治体への依頼です。しかし、この通知自体には拘束力はありません。

この通知を受けて、静岡県浜松市廃棄物処理課 課長からこのような意見が出ています。
>>詳細はこちら

こちらの概要まとめますと、
・浜松市では家庭ごみだけで許容量に近く、受け入れは難しい
・廃プラスチックの受け入れには、処理費用を定めた条例の改正などかなりの時間がかかり、実現するにしてもどれくらい先になるかわからない。

地元への説明や、処理費用を定めた条例の改正によって実現できるのはいつになるかわからないのは、どの自治体も同じだと思われます。

中国規制でまだまだ続く廃プラスチック問題

産業廃棄物処理施設のみならず、市の施設も活用しなければならない程の自体です。このような通知は出ていますが、受け入れるかどうかは行政の判断であり拘束力はありません。さらに、説明や処理費用を定めた条例の改正などにかなりの時間がかかるという点からも、廃プラスチックの処理問題はしばらく続くことになりそうです。

イーテラスは処理会社様への廃棄物管理にまつわる様々なサポートを全力で行っております。何かお困りの点や気がかりな点がありましたら、お気軽にご相談ください。

執筆者

安井 智哉

廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。

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