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コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
【法改正】改正された13号分析の影響は?
産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48年2月環境庁告示第13号)の一部を改正する告示等が2019年10月7日付で交付されました。
2019年12月1日から施行されます。施行まで2ヶ月弱。すぐに内容を確認し、自社への影響や対応の必要があるかといった判断をする必要があります。
改正内容と、それによって処理会社にどんな影響があるかをさっそく解説していきます。
改正はどんな内容?
改正されるのは、『産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48年2月環境庁告示第13号)』の一部です。通称「13号分析」ですね。
13号分析とは、簡単にまとめると、廃棄物を管理型埋立処分する際に守らなければいけない基準と、その分析方法です。
今回の改正は、13号分析の分析方法を変更するという内容です。対象物質が追加されたり、基準値が変わったりといったことではなく、実際に分析をする際の手順や、使用する薬品など、詳細な分析方法の変更です。
13号分析改正によってどんな影響が?
分析方法の細かな点のみの変更であれば、処理会社への影響は無いのでしょうか?
自社で分析を行っている場合には色々と影響がありますが、分析を外注している場合には細かな分析方法はあまり関係がなさそうですよね。
確かに、大きな影響があるとは言えません。しかしながら、全く関係が無いと言い切るのは難しいようです。
改正内容をまとめた一覧表には、例えば下記のように書かれています。
「正確な測定値が出ない」「十分に検証できていない」「測定結果に影響を及ぼす」などの言葉から、分析をより正確に行うために不確実な手順を変更していることがわかります。
特に、カドミウム等の分析については、「ばいじん等不溶化のためにキレート剤で処理した試料では、回収率が低くなる」と記載されています。
不溶化処理をした後の分析は、カドミウム等の数値が低い状態でなければならないのですが、「回収率が低くなる」すなわち、「数値が低くなる」分析方法が除外されます。不溶化処理に有利な分析方法が禁止されたと言えます。
その他の分析方法も、より正確な分析を行うための改正であると読み取れます。
考えられる影響は、より正確になることで全く同じ処理を行っていても、処理後の廃棄物に関する分析結果が変わる可能性があります。
具体的には、今までよりも厳しめの結果が出る可能性があるということです。
万が一、2次処理先やリサイクル後の販売先の基準に合わなくなってしまうと、受け入れる廃棄物の基準や処理レベルを上げるといった対策が必要になるかもしれません。
改正の影響はケースバイケースで、どの程度数値が変わってくるかは読みきれませんが、今後の可能性として考慮しておく必要があるのではないでしょうか?
執筆者
安井 智哉
廃棄物処理会社へ出向し実務経験を積む。現場で得た知識や経験をもとに、お客様の課題に真摯に向き合い最適な提案をおこなうコンサルタントを目指す。
また、静脈産業・廃棄物処理業界の”現場”が抱える課題に着目し、ITシステム等の様々なツールを活用したサービスの開発に努める。