COLUMN
コラム
廃掃法をわかりやすくまとめたり、廃棄物処理業界のDX化の事例をお伝えしています。
廃棄物処理会社様に向けたお役立ちコラムです。
【処理業者へ10日間の事業停止】よくあるミスから行政処分
先日このようなニュースが掲載されていました。
【概要】
・2018年5月15日、岐阜県は、マニフェストの記載漏れがあったとして、同県内の産廃収集運搬業者に対して10日間の事業停止処分を言い渡した。
・2016年5月~2017年1月に交付されたマニフェスト4件について、処分終了日が記載されないまま票の交付者に写しを送付した疑い。
・一般廃棄物の発泡スチロールの無許可処理の疑いで立ち入り検査をした際にマニフェストの不備が発覚
こちらのニュースは、とある処理業者が10日間の事業停止処分となった事例です。この事例からいえることは次の2つです。
マニフェスト4件の記載漏れでも行政処分となる
行政処分となった直接の理由は、マニフェストの記載漏れです。収集運搬・処分の許可業者ですから、日々多くのマニフェストを取り扱っていたはずです。
そんな中で、2016年5月~2017年1月までの8か月で記載漏れは4回という数は、裏を返せばほとんどのマニフェストは適正に取り扱われていたと想定されます。にもかかわらず、たった4件の記載漏れで行政処分が行われたのです。
たった4件といえども違反は違反という判断なのでしょう。法自体の強化だけでなく、取り締まりの強化も進んでいるということがわかる事例といえます。(違反であることには変わりないので、それを容認するものではありません。)
どんな理由で立ち入り検査が入るか分からない
行政処分に至るまでのそもそものきっかけは、法律上は産業廃棄物(廃プラ)に該当する発泡スチロールを、管轄行政が一般廃棄物と規定しているという問題でした。
詳しくは過去コラム(「廃掃法の規定に従っているのに行政処分?法規制を覆すかのような事例」)にて解説しています。
簡単に整理すると、以下のような流れで、行政処分に至りました。
法律上まったく問題ない行動が行政の見解によって問題視され立ち入り検査
↓
別件のマニフェストの記載ミスが発覚(ほとんどの業者が起こしうる紙マニフェストの手書き記載ミス)
↓
行政処分
何だか理不尽さを感じてしまうのは、私だけでしょうか?
立ち入り検査をされても問題のないようにしておくことが重要
今回の事例では、疑いがかからないようにすることは不可能といえます。
法の規定に基づいて産業廃棄物として処理していたものを、行政が一方的に一般廃棄物と指定しているわけですから、ここに対する有効な対策はそう簡単には編み出せません。
この場合、厳しい現実ですが立ち入り検査されても問題がない状態を整備することが唯一の対策です。
ただ、これは簡単なことではありません。
特に紙マニフェストは人が手作業で処理している以上どうしてもミスが起こる可能性は排除できません。
電子マニフェスト…さらにはコンプライアンス機能が上乗せされたシステムによって、自動的にコンプライアンスが担保できる仕組みを作らなければ、有効な対策になりにくいレベルかもしれません。
行政処分を受けないための仕組み作りにご興味がございましたら、お気軽にお問合せください。
執筆者
長谷川 優子
お客様への情報のご案内を担当。廃掃法等、難しい法解釈も廃棄物処理業者様・再生資源事業者様の観点から分かりやすくお伝えすることを大事にしています。
お客様が抱えられている日々の悩みや課題等を、少しでも解決&サポートできるよう努めてまいります!